生活の中で電子レンジは、欠かすことができない家電製品の一つです。その証拠に電子レンジの普及率は、95%以上とも言われています。
食品の温めはもちろんですが、下ごしらえや解凍など、電子レンジを毎日使っているという人も多いのではないでしょうか。
そこで今回は、何かと便利な電子レンジでの電気代節約について紹介していきます。
目次
電子レンジのワット数による電気代
電子レンジには、500Wや600W、700W、1000Wなどワット数があり、使う食材や食品に合わせて調整することができます。このワット数の違いによって電気代がどれくらい違ってくるのか気になってくるかと思います。
一般的な電子レンジのワット数である、500Wと1000Wで電気代(1kWhあたり27円)を比較してみます。
- 500Wでの電気代の目安
- 1000Wでの電気代の目安
1分あたり約0.45円
1分あたり約0.675円
500Wだと1分あたりの電気代は0.45円くらいかかってきます。1000Wになると1分あたり0.675円くらいかかってきます。やはり、1000Wのほうが電気代が高くなっています。
ですが、ちょっと気にして欲しいポイントがあります。ワット数が500Wと1000Wで単純に2倍になっていますが、電気代としては0.2円くらいの差にしかなっていません。ワット数が2倍なら電気代も0.8円とか0.9円になってもいいかと思います。
このポイントが電子レンジを使う上で知っておいて欲しいところなんです。
高いワット数の方が電気代節約に
たとえば、お弁当を買ったときにパッケージに加熱の目安時間が書かれています。500W 5分30秒/1400W 1分50秒などと書かれているのを見たことがあるかと思います。ワット数が大きいレンジで温めれば、短時間で温められることができるわけです。
電子レンジは、小さいワット数で加熱をするよりも、大きいワット数で短時間の加熱の方が電気代としては安く済むのです。1000Wのエネルギーで加熱することができれば、500Wの半分程度の時間で加熱を完了することができるから、消費電力量も少なくなるので電気代が安くなるということです。
ちなみに、電子レンジに記載されているワット数ですが、これは消費電力のことではなく、食品を温めるときに使うエネルギーの強さを表しています。
お弁当に600W 3分と書かれていたときに、ご自宅の電子レンジには、500Wと1000Wしか選べないということがあるかと思います。1000Wを選ぶのであれば、600Wは1000Wと比べて0.6倍になりますので、単純に加熱時間も0.6倍ということになります。つまり、1分8秒くらいの温めでいいということになります。
500Wや1000Wの意味は消費電力ではない
電子レンジに記載されている500Wや1000Wですが、これは電子レンジの定格高周波出力であって、温めるパワーを表示しているのです。つまり、電子レンジの消費電力ではないのです。
- 定格高周波出力:電子レンジ内の物を温めるエネルギーの強さ
- 消費電力:電子レンジが使う全電力
電子レンジの消費電力は、定格高周波出力とその他のターンテーブルを回す電力やレンジの中の照明の電力、レンジのモニター表示の為の電力などを加えた、電子レンジを動かすために必要な全電力になります。
500Wや600Wと記載があっても実際にはもっと大きな電力がかかっているというわけです。
実際の消費電力としては、電子レンジの機種にもよってきますが、機種によって定格高周波出力の2倍以上の電力が掛かってくるものがあります。
500Wの電子レンジを使っている場合、実際では1000W以上の電力を使っている場合があるのです。
電子レンジの年間消費電力
電子レンジを使う頻度は多いですが、電子レンジの消費電力としては、数ある家電の中でもそれほど高いものではありません。年間の電気代が、だいたい1,000円~3,000円くらいにしかなりません。
家電の中で電気代が高い部類に入るエアコンが年間で15,000円~50,000円くらいになり、洗濯機だと年間で6,000円~20,000円くらいになります。これらと比べて電気代は安めです。
電子レンジは、使用する時間が短いということが年間の消費電力を下げているということです。
ですので、使うときに加熱を長く設定してしまったり、ワット数をしっかり調整することで、電子レンジでの消費電力を抑えることができます。
電子レンジでの電気代節約
電子レンジでの節約方法を紹介します。
レンジ内に詰め込みすぎない
料理で電子レンジを使うとき、ついつい物をたくさん入れてしまっている人も多いのではないでしょうか。
食品の温めや解凍など、一気にやってしまいたい気持ちは分かります。ですが、詰め込みすぎると、ターンテーブルが回りにくくなるのはもちろん、回らなくなってしまう場合もあります。その結果、効率良く温めることができず電気代が高くなってしまうこともあります。
加熱する量を調整するようにして、食品の間隔を一定以上空けるようにしましょう。そうした対応をすることで、効率良く食品を温めることができ、自然と電気代を節約することができるでしょう。
置く場所を工夫する
電子レンジを使うときには、効率良く温める為に置く場所を工夫する必要があります。フラットテーブルであれば真ん中に置くようにして、ターンテーブルであれば端に置くようにすれば、スムーズに温めることができます。つまり、電子レンジを使う時間を短縮することができるのです。
オートモードではなく手動モードで温める
電子レンジの多くにオートモードの機能がついており、ボタンを押すだけで温めることができます。しかし、このモードは、平均的なデータをもとに設定されている機能のため、場合によっては、手動で温めた方が効率良くなる場合が多くあります。
初めのうちは慣れないかもしれませんが、なるべくオートモードを使わずに、手動で時間を調整して無駄な電力を使わないようにしましょう。
解凍機能を使わない
冷凍された食品を電子レンジを使って解凍すると、10分や20分といった長い時間がかかってしまいます。電子レンジがその時間だけ動くということになりますので、当然電気代もかかってしまいます。
そもそも電子レンジで解凍すると、ムラになりやすいので、味も落ちてしまいます。ですので、食材を使う数時間前に冷蔵庫に移しておくようにして、自然解凍によって解凍するようにしましょう。
ちなみに、早く解凍させたい場合には、食材を氷水に浸けておくという方法も有効です。解凍方法としては、ボウルなどに氷水を作っておきます。密閉できる食材保存袋に食材を入れて、それを氷水の中に入れるだけです。たったこれだけで、食材は美味しいまま手早く解凍することができます。
注意点としては、ラップは使わないようにすることと保存袋の中の空気は抜くことです。
野菜を冷凍保存している場合は、物によっては冷凍させたものを解凍せずにそのまま調理した方が良い場合があります。
電子レンジで節約をするなら、解凍機能は極力使わないようにしましょう。
ラップを活用する
食品にラップをかけてからレンジに入れることで、食品の熱が逃げにくくなり、温める時間を短縮することができる場合があります。
ただし、ラップを使うことで食品が水分を吸ってしまい、触感が柔らかくなってしまうこともありますので、適材適所で使うようにしましょう。
たとえば、水分の多い煮物などであれば美味しく温めることができます。ラップを上手に活用して料理を作るようにしましょう。
レンジ内を綺麗に保つ
電子レンジ内を綺麗にすることは、電気代の節約に繋がってきます。なぜかといいますと、電子レンジ内が汚れていると、汚れにマイクロ波が反応してしまい効率良く加熱することができなくなってしまうからです。
節約面でも大事ですが、食品を扱う電子レンジは衛生面でも綺麗にしておくべきですし、汚れが発火の原因になることもありますので、日常的に綺麗に保つようにしましょう。
まとめ
電子レンジのワット数が500Wだと1分あたり0.45円になり、1000Wだと1分あたり0.675円ほどの電気代がかかってきます。ワット数が大きい電子レンジほど消費電力が大きくなりますが、短時間で加熱をすることができるので、結果的には電気代を節約することができるのです。